日本テニスウエルネス
協会(JTWA)

本部事務所
〒156-0043 東京都世田谷区松原5-23-2

従たる事務所
〒341-0035 埼玉県三郷市鷹野3-264-1

その他支部
北海道、東北、関東、北陸、東海、関西、中四国、九州

(認証−1999年発足)
当協会は法令(特定非営利活動促進法、「NPO法」)の認証に基づく総務省による認証団体で同法令施行後の最初に認証された14団体の一つスポーツ関係のNPO認証団体としては第一号です。

(認定−2003年更新)

国税庁−租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十六条の十一の二第三項に規定する認定特定非営利活動法人として認定した法人(課法10-84(平15年10月22日)。なお、当協会は同法令施行後に全国で初めて認定された「認定NPO法人」としては第一号です。

(認定−2015年更新)
東京都(26生都地第1485号)により平成26年12月12日に東京都知事舛添要一より特定非営利活動法人として認定。有効期間: 自平成26年12月12日至平成31年までの5年間。

 


About Us

当協会について

   

 

 会員の入会関連ページ 

1) 会員募集案内
2) 正会員、賛助会員
3) 入会申込書


1) はじめに − ごあいさつ

2) 設立趣旨書

3) 認証の取得 平成11年(1999年)

4) 認定の取得 平成13年(2001年)

 − 解説記事: 第一号 協会理事長に聞く
 2001年5月


 − 論文発表:認定NPO法人として実践報告
 2003年7月26日

 − 解説記事: 第二号
  NPO法人への寄付に税額控除制の導入を

5) テニス難民への対応について

6) 認定の取得 平成17年(2005年)





ごあいさつ


「テニスを楽しみ、健やかな生活を実現する
ボランティア活動に参加してみませんか?」

 




特定非営利活動法人(NPO法人 ) 日本テニスウエルネス協会

理 事 長   松 枝  禮


 「日本テニスウエルネス協会」は、新しい法律である特定非営利活動促進法(英語のNonprofit Organizationより通称NPO法と呼ばれる)に基づいて1999年4月19日に経済企画庁より認証された、スポーツ関係では最初の特定非営利活動法人(NPO法人)です。と言っても、ピンと来ない人の方が多いと思いますが、要は、テニスを通じて健やかな生活の実現を図るために過去20年に渡って行なって来たボランティア活動をもとに立ち上げた「日本テニスウエルネス協会」が、公益法人として政府に認証されたということです。この認証を機会に、ホームページを開設して広く呼びかけ、ボランティア活動の輪を広げたいと思っているところです。キーワードはテニスへの「マインド(志)」です。テニスとボランティア活動に関心のある人なら誰でも参加出来る活動ですので、積極的に参加して欲しいと思います。そして何よりも大切な事は、ボランティア活動を楽しんでやることであり、ささやかながら社会の役に立つ生きがいを感じて欲しいということです。

  ボランティア活動は、元来、市民が自由に行う社会貢献活動であり、人に強制されてやる性質のものではありません。各人が自由な発想と自己責任で、本協会の目的に合う活動をして頂ければいい訳です。時間のある人は時間を、お金のある人はお金を、物のある人は物を、技術のある人は技術を、ちょっとだけ提供して頂くだけでも、グループとしてまとめると大きな力になります。今まで行なってきた活動をとっても、障害者、子供、テニス愛好家、国際交流、イベント、研究等色々な部門がありますが、各人が自由な発想で行う活動の幅は益々広がって行くことでしょう。協会はこれらの活動をサポートし、「志」を同じくする人達のネットワークを作って行きたいと考えています。

 車いすテニスを例にとっても、20年前は0人であったものが、現在では600人以上の人が試合を楽しむようになっていますし、レイティングやジュニアコンピューター ランキングも0からの出発でした。「志」を同じくする人達の活動は持続するので、やがては実を結ぶものと確信しています。このホームページの開設を機会に始める「ラケットのリサイクル運動」は、テニスを始めるに当っての費用の軽減に大きな力となり、テニスの草の根の拡大に必ずや貢献するものと思います。そして、この運動をホームページやE-メール中心で行うのも新しい試みです。と申しますのは、協会の事務を、従来の郵便、電話、Fax中心のものから、10年先を見越してホームページとE-メール中心のものに変え、小さな事務所で運営でき、しかも双方向で容易に意見交換できるシステムにしたいと考えているからです。

 21世紀の日本において、健やかで真に豊かな生活を実現するためには、NPO法人による日常生活に密着したボランティア活動が極めて重要になってくることは間違いありません。テニスにおいても、スポーツとしてプレーを楽しむだけでなく社会貢献という生きがいを見つけることができ、そして終局的にはテニスの発展につながることを知って欲しいと思います。日本のスポーツにおいても、「トッププロが、賞金の1部をNPO法人に寄付して社会還元するのがごく普通」となるような文化を育てたいというのが私の個人的な願いでもあります。

  スポーツにおけるNPO法人のはしりである本協会の理念と活動をご理解頂き、指導者、社会人、引退や家事で在宅の人、学生等幅広い方の積極的なご参加と、企業や団体の方のご支援を心から期待するしだいです。

back-to-top




設立趣旨書

「テニスを通じて健やかな生活と心身の発達を
図るためのボランティア活動を展開」

1. 趣旨

 日本は、急速に高齢化が進み、誰でも車いす生活者になる可能性のある社会になると同時に、グローバリゼーションの波を受け、自分の意見や考えを持って国際的に活動できる人材の育成が重要な課題となって来た。 これらの問題に対して、この法人の設立者達は、1981年以来、日本で最初の車いすテニスの導入、子供へのテニスの指導と教育、レイティング等の研究、ボールパーソンらのボランティア活動の普及等、テニスを通じて健やかな生活と心身の発達を図るためのボランティア活動を展開して来ました。今回、特定非営利活動促進法の成立と施行に合わせて、この法人の設立を行うものです。

2. 申請に至るまでの経過

I. 車いすテニス

1981年 この法人の設立者らに招聘されて来日した米国のピーター バーウオシュ氏が3人の車いすの人に「車いすテニス」の指導をしたのが日本の「車いすテニス」の始まりです。その後、彼の弟子のラリー カーン氏による中野体育館での定期的な指導や設立者らの普及運動、自然発生的に起った全国的な関心の高さと活動のおかげで、現在では600名以上の車いすプレーヤーが誕生しています。この「車いすテニス」は、一般のテニスに2バウンドのルールを取り入れるだけで、身体障害者だけでなく、健常者とも対等にプレーを楽しむことができるスポーツであり、リハビリテーションの一環とみなされがちであった障害者スポーツに大きな変革をもたらしました。 1982年 矢内信夫監修「障害者と市民スポーツ」(ぶどう社発行)で、車いすテニスを紹介。 1986年 雑誌スマッシュ(日本スポーツ企画出版社発行)の「プラクティカル テニス No.25」(ピーター バーウオッシュとRay Taks(松枝禮)の共著、1987年2月号)で、車いすテニスの指導法を発表。 1988年 車いすテニスの「チャレンジ カップ イン 有明」の大会を創立。年々、底辺が拡大し、ボールパーソン等のボランティアの参加者も増大し、1998年の大会では、車いすプレーヤー200人、ボランティア200人の計400人を超す大きな大会に発展しています。

II.子供の指導

テニスでは、一旦コートに入ると、プレーヤーは外部の人に相談することも助言を受けることもできないため、自分で考え自分で方針を立ててプレーしなければならない。 従って、集団になると力を発揮するが、個人になると意見も主張も出来ないとよく言われる日本人の欠点を補う教育の場として、テニスはとても良い手段と考えられる。しかし、1980年代の前半頃までは、子供へのテニスの指導は学校にゆだねられ、しかも、軟式テニスがほとんどであった。この法人の設立者らは、テニスの普及とレベルアップには民間クラブでの指導が必要と考え努力を重ねて来た。都市部では、桜田倶楽部の成功が転機になり、民間クラブでの子供の指導が普及して来たが、未だ、地方では十分ではない。指導者の不足やテニスに対する親の理解の問題があり、いかに経済的な負担を軽くして子供にテニスを導入するかが重要であり、この法人の設立者達は、お互いに連携をとりながら子供へのテニスと生活の指導に、ボランティアとして取り組んでいる。

III.テニスやボランティア活動に関る研究

テニスやボランティア活動の普及、振興には、直接的な指導だけでなく、全体のシステムや楽しんでプレーや活動が出来る環境の整備も重要である。

1983年
II.の民間クラブでの子供の指導が進むと、子供のテニス大会の成績を客観的に管理出来るランキング システムが必要になる。この法人の設立者達は、この研究を進め、ジュニア コンピューター ランキング システムを構築した。関東テニス協会で実施しており、現在、15、000人以上の子供達が登録するまでに発展している。

1985年
テニスは、実力の違う人と試合をしても楽しくない。そこで、この法人の設立者達はプレー力を客観的に査定する方法の研究を行い、テニス レイティング システムを完成した。このシステムをも用いると、力量が同じぐらいの人同志の大会が可能になり、一般テニス愛好家が試合を楽しむことができる。日本スクール クラブ協会での実施を経て、現在では、財団法人日本テニス協会で実施されている。

IV.ボランティア活動の普及

車いすテニス大会を開催するためには、ボールパーソン、受付、駐車係等、多数の健常者のボランティアを必要とするし、子供の指導は、根本的にはボランティア活動にならざるをえない。1988年に始まった「チャレンジ カップ イン 有明」の大会の創設以来、ボランティアの募集やボランティア活動の普及に努め、現在では、リーダーの養成もできて、車いすプレーヤーと共に楽しみながらボランティア活動ができるようになって来た。

 平成10年12月1日 特定非営利活動法人 日本テニスウエルネス協会
 
 設立代表者 東京都世田谷区松原5丁目23番2号 松枝 禮

back-to-top


認証の取得
平成11年(1999年)
  

  
1999年4月19日、特定非営利活動促進法(NPO)に基づいて 国から正式に承認

(内閣府NPO室ホームページより)


名称  日本テニス ウエルネス協会

認証日 1999/04/19

主たる事務所 東京都世田谷区松原5丁目23番2号

従たる事務所 埼玉県

目的 この法人は、テニスのボランティア活動を行う団体として、障害者、子供、テニスに関心のある人に対して、テニス及びボランティア活動の普及、振興を図り、もって国民の健やかな生活と心身の発達に寄与することを目的とする。

活動分野 1 4 9 11 17

事業年度 1〜12

報告書提出状況 1999/12/31 2000/12/31 2001/12/31 2002/12/31 2003/12/31




認定の取得
平成13年(2001年)
 
 

旬刊 速報税理 2001年5月11号より

NPO税制の今後を考える

認定NPO法人第一号日本テニスウエルネス協会 松枝禮理事長に聞く

国税庁長官から認定されたNPO法人への寄附につき寄附金控除等の適用を認める優遇税制において、この一月から第一号の認定NPO法人となった日本テニスウエルネス協会。その理事長を務める松枝禮氏に、弊誌が単独インタビューした。二一世紀の自立型経済社会システムを支える新しいタイプの法人として期待されているNPO法人を後押しするべく設けられたこの「認定NPO法人税制」だが、厳しい認定要件がハードルとなってか、十分にワークしていない現状は否めない。

一体、何が原因なのか。厳しい認定要件か、それともそもそも母体となるNPO法人がいまだそう多くないからか?インタビューの後半、目の覚めるような名案が松枝氏から飛び出した。この案を導入すれば、一般の納税者全員が間違いなくNPO法人に寄附するであろう、オリジナリティー溢れる提案である。果たしてその名案とは?示唆に富んだ松枝氏の発言は、今後のNPO税制を変える端緒となると言っても過一言ではない。

(文責:編集部)

1 認可取得の経緯

認定NPO法人の認可取得の経緯について教えてください。

松枝理事長 認定NPO法人の申請の前に、まず平成11年の4月19日にNPO法に基づく法人格を取得しました。このNPO法は平成10年の12月に施行されたのですが、翌年4月19日に私どもの団体を含め一三団体に初めて法人格が付与されたのです。つまりNPO法人の第一期生というわけです。実は、この時から近い将来税制上の優遇措置が講じられることを予想していました。

 NPO法人は、二一世紀の地域社会、ひいては日本を支える大切なインフラになるとの声は政界をはじめ方々から聞かれていましたし、私自身も諸外国のボランティア活動等の状況を見るとNPO法人こそが時代の主流になることを予感していました。大蔵省(当時)や国税庁もこのNPO法人を後押しするべく、税制上の手当てをすることは決して想像しがたいことではなかったのです。

● ポイントは会計面の整備

 ですから、法人格を取得した時から即、近い将来の優遇税制を見据え、対策を講じていきました。特に優遇税制を受けるには必ずや必須の要件となるであろう会計面については、青色申告法人並みに整備していきました。もちろん専門家のお力も借りながらです。とはいえ、確固とした経理体制にまで仕上げるには正直大変でした。コンピュータによる会計処理をしてもこんなに大変なのですから、これがコンピュータのない時代だったらと思うとゾッとしますね。

 ご承知のとおり税制における認定NPO法人制度は昨年の10月から施行されましたが、「待ってました」とばかりに即、申請しました。

 一般にいわれているとおり、確かに認定要件は細かくかつ厳しかったです。

 この要件をスンナリ満たすためにはどうすれば良いのか、いわば近道を模索したりもしましたが、そんな都合のいい方法はありませんでした。真に公益性が備わっていないと、必ずどこかの要件にひっかかるように精密に法令化されているのです。

 正直なところ、こうした緻密さにはある意味、本当に感心しましたね。

● "査察"?入る

 また、申請後、国税局の職員が当協会に"査察"にきました。もちろん本当の査察ではないですよ。私が勝手にこう呼ばせてもらっているのですが、それほど国税局による調査は厳しいのです。証拠書類の照合はもちろんのこと、支部にも調査が入りましたし、当協会が開催するテニス大会も実際に見にきたりと、経理だけでなく実態面の調査も受けました。

 当方としてはもちろん誠意をもって対応するだけですが、この調査の緻密さにも感心しましたね。やはり鋭いですよ。

 ただ、こうした調査を受けていて感じたのは、行為としては証拠書類等を通じた事実確認ではあるものの、その奥で人間を見ているなとも思いましたね。調査官の長年の感で、嘘をついているのかいないのか、直感的にわかるのでしょうね。

 こうした"査察"をクリアして晴れて認定NPO法人においても第一号の認定を受けることができたのです。

2 認定を受けて今

 今年1月から認定NPO法人となり、早や五か月弱が過ぎようとしていますが、現在の状況をお聞かせください。

 松枝理事長 認定NPO法人になったからといって今のところはまだこれといった変化はないのが実状です。特に寄附金が多くなったということもありませんし、これまでどおり、障害者テニスやラケットのリサイクル等を通じてテニスの普及とその指導方法の向上に着々と日々精進しているだけです。

 ただ、回りのこちらを見る目は変わった気がします。特増(特定公益増進法人)と同格になったわけですから、それもそのはずです。もちろん嬉しいことは嬉しいのですが、国税庁長官の認定を受けただけで回りの見る目が変わってしまうというのは、あまり本筋ではないような気もしないでもありません。こうした風潮が官僚主導の権力主義を助長させているようにも思えるのです。このような点から見てもNPO税制はまだまだ過渡期にあるといわざるを得ません。

3 NPO法人税制の今後

そういう意味では今後どのような税制を構築していくべきなのでしょうか。

 松枝理事長 現行の認定NPO法人の税制については、認定要件の厳しさが指摘されていますが、それを緩和するというような対症療法では限界があると思います。

 もっと新しい発想が必要なのではないでしょうか。それにはどうしたら公益を目的とするNPO法人に国民のみなさんが寄附をしょうというインセンティブを与えられるかをまず考える必要があるでしょう。

 現行制度は、所得控除制ですから、寄附をした額の税率分しか基本的には救済されないことになります。つまりそれ以外は身銭を切ったことになるわけです。これではサラリーマンなど一般の納税者はなかなかインセンティブが高まらないでしょう。

● 所得控除から税額控除制へ

 それよりも、はるかに実効性のある方法を以前から実は私は考えていました。それは、NPO法人等へ寄附した金額については自分の納付税額から控除することを認めるという方法です。つまり税額控除制度のうまみをNPO法人等への寄附の優遇税制にも応用しようというわけです。

 今、歳出のあり方、つまり税金の使途が国民的な議論となっていますが、この制度を採用すれば、税金の使途を納税者自身で決めることができるわけですから、歳出云々の議論も不要といえましょう。

 こんなにシンプルで合理的な税制が他にあるでしょうか。

 もちろん寄附を受ける側も生半可なことはできません。評価するのは納税者一人ひとりなわけですから、曲がったことをすればたちまちソッポを向かれてしまうでしょう。こうした自浄作用があるのもこの制度の利点であるわけです。

 現在の公益法人は各省庁の利益になることしかやらないという意味で"省益法人"などと呼ばれることがありますが、私もそのとおりだと思います。このような弊害が起こるのは、国民の税金を集めるのも分けるのも、すべて国が行っているからです。この過程で必要悪の権力や利益誘導が生まれるのです。予算分配権を握る財務省しかり、族議員しかりです。

 こうした政治不信を国民に抱かせないためにも、またタックスペイヤーとして納税意識を高めるためにもNPO法人等への寄附の税額控除制度は最適といえるわけです。

 とある会合で国税庁の幹部にこの話をしたら「そのとおりだ」と賛成してくれましたよ。「実行に移す」とまでは言ってくれませんでしたがね(笑)。

 もちろん一度にこうした税制を導入する必要はないのです。納付税額が100万円だとしたら一、二万円でもいいから、税額控除の対象となる寄附金として認めたらいいのです。まずは制度を導入することが先決です。わずか1、2%でも効果はテキメンでしょう。必ずや、納税者一人ひとりがどのNPO法人等に寄附するかを十分に見定め、応援したいところ、伸びていってほしい法人に納得して寄附するようになるはずです。

 国民から支持されるNPO法人等がどんどん伸びていき、その成長とともに大きな公益を国民に還元する。こんな理想的な社会の実現も決して夢ではないのです。

- - - - - - - -
松枝 禮 氏

昨年、二月まで大手製薬会社の研究員として第一線で薬品の研究開発に尽力し、そのオリジナリティーは業界、学界で絶大な一評価を受けた。その持前のオリジナリティーを、学生時代からの趣味であったテニスにも注入。22年前の1980年に米国ブロテニス協会公認ライセンスの日本第一号取得者になるとともに、松岡修造選手などトッププレイヤーを続々と輩出する桜田倶楽部の創設に尽力した。その後も日本テニス指導者の草分け的存在として数々の要職を歴任。子供や障害者へのテニスの普及・指導にボランティアで取り組んできた。日本で初めての「車いすテニス」の実現もその一つ。自ら理事長を務める日本テニスウエルネス協会のNPO法人認可、税制上の認定はともに第一号。何事も先陣を切って道なき道を切り開いていく。

(旬刊速報税理 5月11号より)

back-to-top



旬刊 速報税理 (日本税理士会連合会監修) 2005年2月1日発刊、1ページ (Interview欄より)

旬を聞く

NPO法入への寄付に税額控除制の導入を
特定非営利活動法人・日本テニスウエルネス協会理事長 松枝禮氏に聞く

来年度の税制改正大綱に向けた自民党改正案に認定NPO法人へ寄付した者に対して「1万円以下の税額控除を認めるとする案が持ち上がっていたのですが」と切り出す松枝禮氏。税制上の優遇措置が認められる認定NPO法人の第1号、日本テニスウエルネス協会の理事長だ。今回見送りとなった「認定NPO法人への寄付の税額控除制度」は協会が認定を受けた平成11年当初から主張してきた松枝氏の持論。爾来、事あるごとに訴えかけ賛同を得てきた地道な努力が、このほど自民党の認定NPO法人制度改正要望案に盛り込まれるという一つの結果を得たわけだ。

税金の使途を自ら決定する

現行のNPO法人税制は、今次の税制改正でも要件緩和の方向で進んではいるものの「所詮は所得控除制」。寄付した額の何割かの納税額が免除されるにすぎない。ところが「税額控除制であれば寄付金の全額が本来納めるべき税額から控除されることになる」。このことは単に額として、より大きな税額軽減につながるというだけではない。「寄付者自身が納めた税金の使途を自ら決定することにつながる」画期的な制度でもあるのだ。いったんは国に納められた税金を国が予算分配という形で補助金等として振り分ける「歳出機能の一面を納税者に委ねるしくみ」ともいえよう。

寄付を通じて「投票する」

納税者自身の眼で真に公益に資するNPO法人を判断し、自らの納税額の一部を投じることは「寄付を通じて支持したいNPO法人に投票すること」ともいえる。来年度改正される見込みの、公益性を計る一つの指針であるパブリック・サポート・テストにしても「単なる額をベースにした割合の引下げでなく、寄付者の人数で計るのが最もわかりやすい」。寄付金の額を基準にする現行制度では寄付する側の資力にも左右されるし、要件を緩和すればするほど大口のパトロンによる寄付だけで認定要件が満たされてしまいかねない。
要は「どれだけ多くの人に支持されているかが公益性を判断する最も重要な要素」なわけで、その意味でも税額控除制はうってつけだ。NPO法人に「これ以上ないほどの厳格な情報公開が義務付けられている」点でも税額控除制が根付く土壌は既に整っているといえるだろう。 「税額控除の対象額は少額でもかまわない、"寄付の文化"を育成するためにもまずはいち早い制度導入を」と、その語りロは熱い。

- - - - - - - - - - - - - - - -
日本テニスウエルネス協会

平成11年、税制上の優遇措置を受けられる認定NPO法人の第一号に。障害者テニスやテニスラケット等のリサイクル、ジュニアの育成等、テニスにまつわるさまざまな非営利活動を通じて社会に貢献する。


旬刊 速報税理 (日本税理士会連合会監修) 2005年2月1日発刊、1ページ (Interview欄より)

 

 


(参考資料)

平成13年12月11日 国税庁告示第10号

認定特定非営利活動法人を公示する件

 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第66条の11の2第2項の規定に基づき、別表に掲げる法人を同項に規定する認定特定非営利活動法人として認定したので、同条第7項の規定に基づき公示する。

平成13年12月11日

国税庁長官 尾原 榮夫

別表(認定特定非営利活動法人名簿)

法人の名称 主たる事務所の所在地 代表者の氏名 認定の有効期間

特定非営利活動法人日本テニスウエルネス協会
  東京都世田谷区松原5丁目23番2号 松枝 禮 平成14年1月1日から平成15年12月31日まで

特定非営利活動法人プロジェクト・ホープ・ジャパン
  東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 甲谷 勝人 平成14年1月1日から平成15年12月31日まで


認定NPO法人第1号は東京の2団体
カテゴリ:12.国税庁関係 トピック
作成日:2001/12/12  提供元:21C・TFフォーラム


 国税庁は12月6日、認定NPO法人への認定申請のあったNPO法人2団体に対し、租税特別措置法第66条の11の2第2項の規定に基づく認定を行い、12月11日付けの官報で公示した。

 第1号に認定されたのは、10月3日に申請を行った東京都世田谷区の日本テニスウェルネス協会(松枝禮理事長)と申請開始当日の10月1日に申請した東京都武蔵野市のプロジェクト・ホープ・ジャパン(甲谷勝人理事長)の2団体(所轄はともに内閣府)。

 日本テニスウェルネス協会は、平成11年4月に設立された障害者等に対するテニスのボランティア活動を主な事業としている団体。プロジェクト・ホープ・ジャパンは、40年の歴史を持つ国際援助機関「プロジェクト・ホープ」のアジア地区を総括する日本支部として平成11年2月に設立された団体で、タイやインドネシア等の発展途上国に対する医療支援を行っている。

 認定の有効期間は平成14年1月1日から15年12月31日までの2年間で、その間に行われる2団体への個人・法人の寄附金及び相続・遺贈により財産を取得した人が行う相続財産等の寄付は寄附金控除対象とされる。

 なお国税庁によると、9月から開始された事前相談には11月末までの2ヵ月間で延べ353件寄せられ、現在3件の認定申請が出されている。

back-to-top




認定の取得
平成13年(2001年)
 


日本スポーツ産業学会第12回大会(2003年7月26日)で発表

国税庁が認定する認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)

制度をスポーツの現場にどう生かすか? スポーツ現場での実践報告


国税庁が認定する認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)制度をスポーツの現場にどう生かすか? スポーツ現場での実践報告

松枝 禮* 野田誠孫* 三浦知義*

How to Use The Advantage of The Government Certified NPO Organization Status in Sports Field? Actual Activity Report

Rei MATSUEDA*, Shigehiko NODA*, and Tomoyoshi MIURA*
Abstract

The Government Certified NPO (Nonprofit Organization) system was set up on Oct.1, 2001 to support activities of NPO organizations. The Japan Tennis Wellness Association actually applied to this new system and got the certified NPO status as the first case from National Tax Agency Japan. Through application, raising funds, and actual activities, the advantages of this status in sports field were studied.
Key words: Government Certified NPO Organization, National Tax Agency, Tennis,
Sports

1.緒言

 1998年に制定施行された特定非営利活動促進法により市民活動の団体が財団法人や社団法人の形をとらなくても公益法人を設立することが可能になり、スポーツ関係への発展が期待された1)。しかし、経済的な基盤の弱いNPO法人にとっては、その活動に賛同する会社や個人からの献金や寄付を集めることが出来るか否かがカギであり、それを支援する目的で、税制の優遇が適用される認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)制度が2001年10月1日に施行された。これは、国税庁が審査して合格したNPO法人には、認定NPO法人の資格を与えて税制上の優遇を行うというものである。

*認定NPO法人日本テニスウエルネス協会
〒156-0043 東京都世田谷区松原5−23−2
*Government Certified NPO Organization, Japan Tennis Wellness Association,
5-23-2 Matsubara, Setagaya-ku, Tokyo, 156-0043 Japan

 新しい公益法人であるNPO法人制度が日本に根づくためには、ボランティア活動をする一般市民が誰でもNPO法人を設立でき、さらに認定NPO法人の資格を得れば、その活動が税制上でも一段と優遇されることが重要と考えられる。今回、筆者らは、1998年に立ち上げた日本テニスウエルネス協会について、実際に国税庁に申請して認定NPO法人の資格を取得することを試みた。そして、認定NPO法人の第1号としてこの新しい制度をどのように活かすことができるかを念頭に、募金、共同事業、税金、日頃の活動等の場面での取り組みについて検討した。その実践体験を通じて得た成果と問題点について報告する。

2.研究方法と結果

2.1 認定NPO法人の申請

 認定NPO法人制度の発足に対応して国税庁より「認定NPO法人制度の手引」2)が発行された。これを近くの国税の税務署より入手し、その手順に従って必要書類を作成して2001年10月1日の施行に合わせて本部住所の管轄税務署である北沢税務署に提出した。基本的にはNPO法人の認証申請と2年分の事業報告の資料を基に作成すれば大部分の資料は作成できたが、役員報酬や従業員の給与規定、助成金、海外送金の他に、収入、支出、寄付金等の会計上の明細な資料の作成が必要であった。特に会計上の明細は、複式簿記で青色申告に準ずるものが必要であるため苦労したが、公認会計士のアドバイスと会計ソフトの利用で解決した。認定申請の資料に基づいて審査が行われるわけであるが、その認定資格を得るためにはいくつかの要件を満たす必要があった。その主な要件を表1に示す。

認証を受けた所轄庁から優良な団体であることの証明書や先に述べた青色申告に準じた会計処理の他に、活動や寄付や活動の便益を受ける側が広範囲であること、そして事業の主要な部分がボランティア活動であること、また、総収入の1/3以上が寄付金であることが求められる。寄付金で大口の寄付を受ける場合には注意が必要である。というのは寄付金の全額を認定要件の寄付金として算入できないからである。総寄付金の2%の額しか寄付金としては算入できない規則になっており、例えば大口の100万円の寄付を受けても寄付金総額が300万円である場合は2%に当る6万円しか算入できないことになる。

2.2 審査の実際とその結果

  日本テニスウエルネス協会の場合は、東京国税局により実際の審査が行われた。書類上での追加資料の提出だけでなく、本部と支部で国税局員による帳簿のチェックが実際に行われた。審査される方も審査する方も前例のない初めてのことなので戸惑いと緊張があったことは否定できないが、非常に慎重に審査が行われたとの印象であった。特に驚いたのは予告もなく、車いすテニス大会の視察があったことである。帳簿だけでなく実際のボランティア活動を目で見て判断するという姿勢には好感が持てた。

  審査の結果、平成13年(2001年)12月6日に認定され、12月11日の官報で告示されて認定NPO法人の第1号となることができた。その後も認定NPO法人の数は余り増えず、施行から1年9ヶ月経た2003年6月末時点でも14団体に過ぎない。NPO法人の数が11,474であることを考えると、その割合は0.1%である。このように極めて少ない認定NPO法人であるが、認定を受けるとどのような点が有利になるのであろうか?認定を受けた場合に受けることのできる税制上の特例措置(優遇)の主な点を以下に示す。

1)個人が認定定NPO法人に寄付した場合に、確定申告で寄付金から1万円を引いた額が所得から控除できる。

2)企業が認定定NPO法人に寄付した場合に、損金として算入できる額が一般寄付金(資本金と売り上げで決まる額)と同額だけ増額できる。

3) 相続財産を寄付した場合は、相続財産が非課税になる。

この優遇は、日本オリンピック委員会や日本赤十字社等に代表される特定公益増進法人と同等と言うことができる。しかし、現実にその数が少なかったことから認定条件の緩和が2003年5月1日から実施されることになった。活動範囲の広域性は廃止されて特定の地域だけでの活動でもよくなり、寄付金の割合が1/3から1/5に緩和され、大口の寄付の寄附金算入額が寄附金の総額の2%から5%に引き上げられた。また、寄附金として認められる年間最少額が3000円から1000円に引き下げられ、収益事業の収益の20%を寄付にすることができるいわゆるみなし寄附金制度が導入されることになった。

2.3 認定NPO法人資格をふまえた試行と結果

  日本テニスウエルネス協会の活動は、車いすや障害者のテニス、子供のテニス、一般愛好家のテニス、ボランティア活動の発展に向けての活動に大別できる。最近の活動例を表2に示すが、4のラケットのリサイクル運動は中学にテニス部を作ることを目標に長期的な視野で取り組んでいるものであるが予想以上の反響と成果が得られ始めている。認定NPO法人の資格を取得後、行政との共同事業のモデルをつくるべく世田谷区に提案したのが5である。学校の土曜日の休日化に対する受け皿としてのテニス教室について、こちらが指導のノウハウと人材を提供し、区がコートか資金を提供することによる共同事業である。助役レベルで数ヶ月かけて検討してもらったが、世田谷スポーツ振興財団といういわゆる官益法人がスポーツの全て取り仕切る仕組みになっているため実現には至らなかった。日本経団連の社会貢献を旨とする1%クラブへのアプローチをした7では、認定NPO法人の利点を生かした寄付のお願いを試みた。認定NPO法人ということで寄付の対象団体としての認定はもらえたが、実際の寄付を受けるには至らなかった。経済状況が悪く既存の寄付も取り止めている現状では新規のものは考えられないという横並びの結果であった。日本経団連の日本のトップ企業においても一般寄付金の枠一杯を使って社会貢献をしている会社はほとんどなく、認定NPO法人への寄付でその同額だけ損金算入を増やすことができる利点は実際には効果がないことが明らかになった。最近首都圏や都市部では民間のテニスクラブが消滅して会員がプレーする場所を失うといういわゆるテニス難民の問題が頻発している。これは相続に際して、不動産としての時価は下がる一方で評価額はあまり変わらないために相続税を物納することが多く起ってクラブが閉鎖されてしまうためである。テニスをプレーする場所がなくなることはテニスにとって大きな危機と言わざるをえない。特に次世代のテニスにとっては重大問題である。テニスを主な業務にする認定NPO法人である日本テニスウエルネス協会に寄付してもらえば解決できると考えて取り組んでいるのが9である。国税だけでなく地方税にも関連し、前例がない新しいことなので大きな労力を要するが前向きに取り組んでいる。

3.考察

3.1 認定NPO法人に関わる税制

  認定NPO法人であっても法人である以上は国税と地方税の対象になることは避けられない。都道府県民税や市町村民税が減免になるか否かについても前例がないため、多くの労力を要したが、現在では減免扱いが普通になってきた。一方、国税の法人税に関しては、収益事業を行う団体は対象となる。税法上の収益事業とは、物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、一定の技芸教授業等、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業の33業種に限られている。 古い規定であり、幸か不幸かスポーツに関わるものは含まれていないのが実情である。

3.2 行政とは共同か協働か

  世田谷テニス教室の例のように、行政との共同事業には官益法人の厚い壁がある。情報公開が成されているNPO法人に比して、同じ公益法人であっても官益法人の情報公開はなされていない。NPO法人は市民の自由な発想で自由な活動を行うのが原点であり、必ずしも行政の方を向いているわけではない。接点があれば対等の立場で共同事業が行えるのが望ましい。一方、最近、行政側からNPO法人との協働の呼びかけが行われるようになって来た。NPO法人のネットワークつくりや補助金や交付金による行政の下請け事業を模索するものであろう。資金的に苦しいNPO法人にとって利点はあるが、補助金や交付金無しではやっていけない足腰の弱いNPO法人になってしまう危険性がある。これに頼るとミニ官益法人になってしまう危険性があることを指摘しておきたい。NPO法人制度の先進国を見ても、NPO法人制度が発展するためには行政に対して中立性と独立性を保つことが重要と考えられる。

3.3 公益法人制度と認定NPO法人

  民法34条に基づいて設立された非営利な団体が公益法人であり、財団法人と社団法人あわせて2万6千あるが、新しいNPO法人もこの範疇に入る。財団法人や社団法人とNPO法人の大きな違いは、財団法人や社団法人は役所の許可を必要とする点である。権限を持つ役所がお手盛りの公益法人をつくりがちで、公益の名目で行政の下請けをさせ、補助金を流し、天下りの役員を送る場合が多く、いわゆる官益法人といわれるゆえんとなっている。2000年のKSD(現あんしん財団)の汚職事件を契機に公益法人の改革が政治課題として検討されているが、未だ具体策は出ていない。始まったばかりのNPO法人にもその影響が及ぶのは必至で、学校法人、宗教法人、社会福祉法人をふくめた公益法人全体のあり方が問われることになろう。この場合、そもそも公益とは何か、だれが公益と判断するのかが重要と考えられる。貧しかった戦後は経済的な利益が政官財と国民の一致した公益であったが、経済的に発展を遂げた現在では心の豊かさが求められるようになって来た。心の豊かさは各人各様であるため行政がそれに対応することは難しい。柔軟に対応できるボランティア活動やNPO法人が生れて来たのも社会的な変化の要請であるということができる。認定NPO法人制度では国税庁が公益を判断している形であるが、認定NPO法人の誕生が少なかったためにその条件の緩和がなされたのが現在までの経緯である。認定NPO法人制度が実施されて2年にも満たない内での改正であるが、このような付け焼刃的な改正で問題は解決するであろうか?日本に新しい認定NPO法人制度を根づかせるためにはどのようなものにすべきかという哲学と目標像が必要と思われる。

3.4 社会貢献の文化

  日本テニスウエルネス協会が認定NPO法人として取り組んでいる活動の一つに表2の8の賞金の1部を社会に還元する文化の育成がある。賞金の1部を寄付して社会貢献するという欧米では当たり前の文化が日本には未だ定着していないからである。これは選手の発想の問題だけでなく税制の問題もあるので長期的に取り組む必要があると考えている。十数年前のことであるが、日本のトップの自動車会社の社会貢献額について、売り上げではその数分の1に過ぎないフォルクスワーゲン社より少ないのはなぜかと外国の友人から質問されたことがある。企業の社会貢献の額も最近増加しつつあることは間違いないが、2.3で述べたように、日本経団連の1%クラブのトップ企業も一般寄附金の枠さえ使い切っていないのが実情である。このような選手や企業の社会貢献の問題は文化の問題であるため一朝一夕での改善は難しいであろうが、日本のNPO活動を盛んにするためには重要なことと考えられる。

4.結論と寄付の税額控除の提言

  純粋の市民活動である手作りの日本テニスウエルネス協会でも認定NPO法人の資格をえることができることを実証することができた。役所の許可を必要としない公益法人が特定公益増進法人と同等の税制の優遇を受けることができる実例ができた意味は大きい。しかし、今回の認定条件の緩和により認定NPO法人の数の増加は期待できるものの、果たしてそれでこの新しい認定NPO法人制度が発展をとげることができるであろうか?実際に認定NPO法人の資格が得られても、実質的な寄付の増大がないとその意味は半減する。日本経団連1%クラブの加盟会社の例で述べたように、企業からの寄付が増加するとは考えにくい状況にある。では、どういう方向が考えられるであろうか?著者らは、認定NPO法人に納税をしている市民が寄付した場合には、確定申告でその同額が返還される寄付の税額控除にすべきだと考えている3)。この「認定NPO法人への寄付の税額控除」を提言する理由は、所得税を源泉徴収されているサラリーマンやOLから広く薄く寄付を受けることができることが期待され、寄付を依頼する方も依頼される方も税の返還金を明確にすることができるからである。そして、国民が税金の使途の一部を選択できるようになるというだけでなく、便益を受けない純粋の市民の寄付によって公益性を判断する新しい尺度ができると考えられる。この寄付の税額控除の提言の主な利点を表3に示す。税額控除の上限は設けてもよいので認定NPO法人への寄付についてぜひ実現してほしいと考えている。十分な情報公開がなされ、国民の支持が明白な真の公益法人が育てば、KSDやムネオハウスやスパウザ小田原のような税金の無駄使いにつながる官益法人の自然淘汰が進み、財政改革につながることが期待される。

1) 松枝禮、野田誠孫;特定非営利活動促進法(NPO法)とスポーツの可能性、スポーツ産業学研究、10、113-117(2000)
2) 国税庁;認定NPO法人制度の手引、国税庁、平成13年8月発行(2001).
3) 日本税理士会連合監修;NPO税制の今後を考える、認定NPO法人第1号日本テニスウエルネス協会松枝禮理事長に聞く、ぎょうせい発行旬刊速報税理、5月11日号、30−32(2002).

(英文抄録の和訳)
2001年10月1日にNPO法人の活動を支援する認定NPO法人制度が始まった。日本テニスウエルネス協会は、認定NPO法人への申請を行い認定NPO法人の第1号として国税庁から認定された。この認定申請、募金、実際の実践活動を通じて、認定NPO法人としての利点について検討したので報告する。


表1認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)の主な認定要件

1.受入寄付金総額等 / 総収入等が1/3以上
2.活動の範囲や寄付が特定のものに限定されないこと(80%以上)
3.便益が特定のもの(50%以上)に限定されないこと
4.特定非営利活動の事業費が総事業費の80%以上で受入寄付金の70%以上
5.青色申告に準じた経理の処理
6.所轄庁からの証明書


表2認定NPO法人日本テニスウエルネス協会の活動例

1.車いすテニス 2.障害者のテニス
3.子供のテニス 4.ラケットのリサイクル運動
5.土曜休日化に対応する世田谷テニス教室
6.認定NPO法人への寄付の税額控除運動 
7.日本経団連1%クラブへの寄付の働きかけ  
8.賞金の一部を寄付する文化の育成
9.テニス難民の救済


表3「認定NPO法人への寄付の税額控除」提言の主な利点

1. 所得税を源泉徴収されているサラリーマンやOLから寄付を受けやすくなる
2.納税者としての自覚が増し、税金の無駄使いへの監視が進む
3. 国民が税金の使途の1部を選択できる仕組みができる
4. 公益性を判断する尺度ができ、官益法人の自然淘汰が進む
5. 元は税金である行政からの補助金や交付金に代って国民から直接寄付を受けるので独立性と中立性を保つことができる

back-to-top


 


 
テニス難民への
対応について
 
テニス難民防止にも一役、認定NPO日本テニスウエルネス協会


テニスマガジン10月号(2002年)で掲載

 「日本テニスウエルネス協会」は、特定非営利活動促進法(NPO法)によって認定された団体で、おもにテニスに関するボランティアなどを行っている。認定NPO法人はオリンピック委員会や赤十字と同格の公益法人として国税庁から認定を受けており、「日本テニスウエルネス協会」はスポーツ関係では第1号、いまだ3団体しかない認定NPO法人のひとつだ。

 ボランティアのひとつであるラケットのリサイクル運動では、随時集めたリサイクルラケットを必要としている中学校などの団体に無料で譲っている。このリサイクルに賛同し、ラケットを譲ってくれる方は、ストリングを張ってあるものも、張ってないものも5本以上をまとめて、協会の受取人払いで下記まで送付のこと(4本以下の場合はボランティアの方の送料負担)

  ラケット送付先&団体受付
 〒164−0003 東京都中野区東中野5−17−26−401
 藤井宅気付 日本テニスウエルネス協会 
 TEL&FAX03(3362)7986
 ※なお、ラケットの送付は午後6時以降の配達を指定のこと

 また、この日本テニスウエルネス協会の存在は、今大きな問題となっている テニス難民 の防止についても大きな意義を持っている。

 テニス難民の問題に関しては、最近スポーツ緑地法の請願などもされているが、いまだ解決には遠いようだ。
この問題に関しては、NPO法の立法と優遇税制が適用される認定NPO法人の認定基準等の請願で、すでに膨大な時間と労力をかけてきたという。

 現在では、認定NPO法人に寄付を行えば相続税が免除となり、テニス難民の問題解決の一助となるようになっている。日本テニスウエルネス協会では「相続問題でテニスコートの維持が困難になった場合は、認定NPO法人の同協会に寄付していただけると、相続税が免除になるだけでなく、テニス難民を生まずにすみます。ぜひ、ご相談ください」と告知している。
まずはメール(jtwa@tennis-japan.com)またはファックス(03-3322-3669)でご相談を。

テニス難民についての関連記事(2004年−テニスマガジン及び日経新聞より) 


 



[ ホーム ] [ ニュース ] お知らせと行事 ] 協会について ] 事業の紹介 ] 公式資料 ]
よくある質問 ]
お問い合わせ ] サイトマップ ]
[ リンク ]


back to top


Last Update  2015-02-27

Copyrights 2009 Japan Tennis Wellness Association. All rights reserved.